プロフィール
「コハーンは大きな存在だ。とてつもなく大きな芸術家である」
クラリネット奏者、作曲家、そしてヴィジュアル・アーティスト。東京を拠点に活動するハンガリー人アーティスト、コ
ハーンは、第84回日本音楽コンクール第1位をはじめ国内外15のコンクールで25の賞を受賞した、日本クラリネット界を
代表するソリストである。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の大河紀行にクラリネット・ソロで参加し、日本全国にそ
の音色を届けた。自身の作品が世界各地で演奏される作曲家でもあるコハーンを、日本の音楽メディアは「総合芸術家」
と称する。
ブダペスト生まれ。19歳にして国際クラリネット協会(ICA)ヤング・アーティスト・コンクールに優勝。2013年、リス
ト音楽院卒業と同時に来日し、第11回東京音楽コンクール第1位・聴衆賞を受賞。2015年には第84回日本音楽コンクール
第1位・聴衆賞、日本木管コンクール第1位・聴衆賞、秋吉台音楽コンクール第1位・グランプリを同年に制覇。東京音楽
大学大学院修了後、26歳にして同大学講師に就任した。日本クラリネット専門誌『ザ・クラリネット』は彼を「クラリ
ネット界の新しい英雄」と称し、2017年には青山音楽賞を受賞している。
ソリストとして東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、紀尾井シンフォニエッタ東京と共
演。アントニオ・メンデス、ケン=デイヴィッド・マズア、原田慶太楼らの指揮のもと主要なオーケストラと多数の共演
を重ねてきた。東京・春・音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン、サントリーホール「チェンバーミュージッ
ク・ガーデン」に出演し、ヴィキングル・オラフソン、ラデク・バボラーク、神尾真由子、クリストフ・バラーティ、マ
イケル・コリンズ、工藤茂紀らと共演。自身のレーベル「Lakeshore Music」より5枚のアルバムをリリースし、いずれ
も世界中のストリーミングで配信中である。
コハーンの音楽は、ハンガリーの大地から生まれている。父はブダペスト・クレズマー・バンドのクラリネット奏者。10
歳で父のバンドの10周年記念コンサートにてブダペストのマダーチ劇場に立ち、1,000人を超える聴衆の前で演奏したこ
とが、ソリストとしての原点となった。24歳のとき友人の依頼を受け、わずか1週間で書き上げたクラリネット二重奏曲
《Konzertstück à la Feidman》は、今も世界各地で演奏され続ける代表作となった。クラシックの舞台では作曲家の世
界を誠実に描き出す一方、自らの作品を演奏するときコハーンはあらゆる制約から解き放たれる——それは、仮面を外し
た瞬間の音楽だ。
2012年よりクラシック音楽界においていち早く、自身の演奏を映像作品として記録・発信することに取り組んできた。
現在進行中の《クラリネット・アンソロジー》は、クラリネットの全レパートリーをシネマティックな映像として
YouTubeに記録するという前代未聞のプロジェクトだ。現在、洗足学園音楽大学講師を務めるほか、東京・大阪・名古
屋を拠点とするアルファ・クラリネット・アンサンブルを主宰。独自の指導法「コハーン・メソッド」を通じ、これまで
1,000人を超える生徒と向き合ってきた。
2020年よりカナダのクラリネットメーカー「Backun Musical Services」のオフィシャル・アーティストとして契約。楽
器と格闘することなく、ただ音楽そのものと向き合える——コハーンにとって、それはこの上ない贅沢である。
